母に嫌われて

お母さんは私のことが嫌いだ、

 

思い返しても、

いつから母に嫌われてたのかは定かではない。

なんなら母自身は今もそのことに気付いていないのかもしれないから

明確にいつから嫌われているかは誰にも分からないのだけれど、

 

というか、母が気付いていないかもしれないという時点で

嫌われているというのは私の勝手な妄想ではないかと思うこともあるのだが、

それでもやっぱり、

嫌われているのである。

 

 

もしかしたら正確には

好かれていないの方が正しいかもしれない。

 

小さい頃の断片的な記憶の中で、

毎日毎日何かにつけて

弟と私で母を取り合っていた記憶がある。

その中で母は確かに、

私と弟を順番に相手しながら

抱きしめてくれたり、頬にキスをしてくれたりしていたし

 

飼っていた犬に異常に過保護で甘い母や

まだ幼い従妹をあやしているところを見ると、

確かに母は赤ちゃんや子供が大好きなのだと思う。

そしてまた、その犬を見て

自分のこう育てられたのかと思うと

気持ちが悪くて仕方なかったのだけど。

 

現に母は娘(私)が自分のもとを去っていこうとするのに気付いたときに

周りに私のことを心配していると話したり、

私がしたことを勝手に自分の為と思って喜んでいたりしたらしいから

嫌いというよりは、

弟と比べて好きではないというだけかもしれない。

(私には2つ下に弟が一人いる)

 

どちらにせよ、一緒に暮らしていると

本能的に、というよりもうクセで

(弟より)母に好かれたいと、嫌われたくないと思ってしまう。

 

そうして私はまた、母が望むような反応をして

それでもやっぱり弟には勝てないのだと分かると

悲しくてしょうがなくなるから

鼻から関わりたくないのだ。

 

でもこんなことを

「なんで実家が近いのにひとり暮らししてるの?」

っていう軽い質問の後に

「母が私を愛してくれるかもしれないなんて馬鹿な期待をまた抱かないように」

なんては返せないから

「なんででしょうね~」

と笑っておくのだ。

 

なるべく嘘は言いたくないからね。